介護の働く現場は、介護者が住み慣れた自宅で介護する在宅介護と特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの施設での介護の二つに分けられますが、介護の仕事が激務というイメージがついた理由としては、それぞれ原因があります。

<介護の仕事は激務であると言われるようになった原因>
在宅介護→1人で介護を行うケースが多い
施設介護→介護職員が不足している施設が多い

 

介護の仕事

 

二つの現場に分けて、それぞれ詳しく見ていきます。

 

在宅介護の現場

在宅介護では、自宅に介護ヘルパーが訪問して、必要な介護を行います。介護内容については、予め介護計画がたてられており、ヘルパーは決められた時間内に決められた介護サービスを提供していくことになります。

 

こうやって仕事内容を聞くと、激務というより、働きやすいのではないかという印象を受けるかもしれませんが、実際には、何かと思い通りにいかず、対応に苦慮するケースが多いのが実情です。

 

緊急時や1人対応介護の重圧

何事もなく、予定の時刻に計画通りの介護サービスが出来れば問題はありません。しかし、利用者は高齢者ですから、介護サービス中に病気が急変したり、不意な転倒などにより、緊急を要する対応が必要になることも少なくありません。

 

施設などで働く場合には、介護職員は何人かいるものですし、施設の規定で看護師が常駐している場合もあるので、何人かで判断して対応することができます。

 

しかし、在宅介護では、基本的に自分一人で対応することになります。事業所に報告をして、指示を仰ぐことも出来ますが、緊急時には、そんな余裕もありません。

 

また、的確に症状を伝えなければ、指示を受けることも出来ないので、状況を把握して、適切に説明することが介護ヘルパーには求められます。こういったことを行うには、それだけの知識・スキルが必要なので、施設介護よりもハードルは高くなります。

 

訪問介護を始めた最初の頃は、緊急時の対応についての認識が薄いため、あまり負担を感じないものですが、経験を重ねて、現場を理解出来るようになると、責任の重圧を感じてしまい、強い精神的プレッシャーを感じながら、働かざるを得なくなる人が多いようです。

 

また、こういったトラブルを抜きにしても、身体が大きな利用者、体重が重い利用者をヘルパー1人で介護するのは困難であり、肉体的に大きな負担となります。どうしても、一人では難しいというケースでは、2名体制で介護することもありますが、その場合、利用料金が2倍になります。

 

家族が金銭的負担を嫌って拒否する場合には、1人での対応を強いられるケースも少なくありません。このあたりも激務とイメージされてしまう理由の一因となっています。

 

介護ヘルパーは年中無休?

一人暮らしの高齢者を介護する時には、土日祝日、年末年始といえども介護ヘルパーの訪問が必要になるケースが珍しくありません。その場合、人員に余裕があれば、代わりのヘルパーが派遣されることになりますが、不足していると、止むを得ず休日出勤を迫られることになります。

 

これが実情なので、もし、土日祝日や年末年始に確実に休日を取りたいということであれば、初めから土日祝日、年末年始は休業としている事業所を選ぶようにしてください。

 

介護ヘルパーは、国家資格である介護福祉士もいますが、大半は民間の講習会などでホームヘルパー2級を取得した主婦です。子育ての合間に少し働くといった登録制で働いている人が多く、土日勤務は避ける傾向にあります。

 

そのため、土日祝日、年末年始の出勤に対応出来るヘルパーを確保することに苦慮している業者が多く、最初から土日祝日、年末年始の対応を不可としている事業所、もしくは要相談として、イレギュラー対応としている事業所が意外に多いのが現状です。

 

こういった事業所で働けば、土日出勤を避けることが出来ます。逆に言えば、週末対応・休日対応を行っている事業所に勤めると、出勤を要求される可能性は大です。面接の時に出来ないと伝えておいて了承を得たのに、いざ始まってみたら、毎週のように要求される。

 

断りたいけど、みんな忙しく、余裕がないことが分かるので、なかなか断り切れない・・・ こんな悪循環に陥っている人は少なくないので、よくよく注意するようにしてください。

 

介護ヘルパー事業所の常勤者は激務?

在宅介護での介護ヘルパーが不足している事業所では、介護ヘルパーの欠員が出ると主に常勤の職員が介護ヘルパーとして訪問します。日によっては昼食やトイレへ行く暇もなかなかとれずに過ごすといったこともあります。

 

介護ヘルパーが多い事業所では、介護ヘルパーに無理のない訪問スケジュールがたてられているので、激務の心配はいらないと思っていいのですが、不足している事業所だと、一人あたりの業務負担が厳しくなるので、事前に確認しておいたほうが賢明です。

 

施設介護

老人ホームなどの施設介護の基本的な勤務時間は、一般的な職業と変わりありません。特別なことと言えば、夜勤があることぐらいでしょうか。老人ホームで生活している高齢者を介護するわけですから、毎日誰かしらが出勤している環境になります。

 

24時間業務を3交代制で、ローテーションしているという施設が一般的です。

 

激務といわれる理由は人員不足に有り

管理人は様々な介護施設で働いてきましたが、労働時間については規定通りにローテーションされています。しかし、働く介護職員が足りないので、1人がまかなう業務が自然と多くなります。

 

介護職員の不足については、世間一般的にも問題視されていますが、では、職員が不足している施設がどう対応しているのかといえば、単純に不足人数分の業務負担が他の職員の労働に追加されているだけです。

 

例えば、夜勤の翌日は休みというのが、理想的な勤務形態として推奨されているのですが、夜勤者の不足により、夜勤の翌日にまた夜勤というのは日常茶飯事です。休みをとれないまま、勤務が継続していきます。

 

施設には必ず常駐させなければいけない介護職員の数が決まっていますが、これは最低限の人数なので、現実的には、その人数で業務を遂行するのは無理です。そのため、法的に定められている最低限の人数よりも多くの介護職員を確保しなければいけません。

 

しかし、必要としている人数を満たしている施設はごく少数というのが実情であり、これが激務を招いています。

 

まとめ

在宅介護と施設介護に分けて検証してきましたが、両者とも、介護職員の不足が、『激務』の原因となっていることがわかります。

 

ただし、そうかといって、高齢者の生活を担う介護というのは、人手不足を理由に『今日は無理』と断ることが出来る仕事ではありません。そのため、現役の職員に負担をかけ続ける形で、業務を遂行することになります。

 

こういった状況なので、一人や二人、介護職員が入ってきても、業務負担は改善せず、忙しくて辞めてしまいます。そのような退職者が増えてきたという点も、『介護職は激務』のイメージがひろがる要因になっています。