転職回数が多いということは、通常、採用においてマイナスの評価を受けることにつながりますが、介護業界では、決して、そうとは言い切れないということを『転職回数が多いからといって、採用で不利になることはない』において、お伝えしました。
二人の方の事例をもとに、その理由にも触れていますが、このページでは、改めて、介護業界において、転職回数が武器になる背景について、お話させて頂きます。
介護職は介護歴より介護スキルを重視
『転職回数が多いからといって、採用で不利になることはない』において、取り上げたケースから見ても分かるように、同じ施設に長く勤めたからといって、それだけで有利になるということは、あまりありません。
勤務先が100人規模の大きな施設であれば、様々な利用者と接することになり、様々な経験を積むことが出来ますが、小さな施設だと、同じ人のケアを長期間に渡り、継続して行うことが多くなります。
そうなると、接する利用者の数は限られたものとなり、経験の幅が狭くなるので、仮に勤務経験が長くても、対応力という点で、割り引いて評価される可能性が高いです。
また、当たり前の話ではあるのですが、採用する側が最も重視するのは、本人の実力です。高いレベルで介護スキルを身につけている人であれば、勤務年数は短くてもすぐに採用しますし、逆に、介護経験が長いといっても、そこに実力が伴っていなければ、採用に二の足を踏むこともあります。
実際に現場を行われている介護業務を理解して、必要なスキルを習得することと、勤務年数、転職回数は、あまり関連性がないので、そういった数字だけで評価が決まるとは考えないようにしてください。
積極的な転職のススメ
自分のスキルを高めたいのであれば、一つの施設に留まるよりも、むしろ一定期間ごとに転職することをオススメします。ある程度の経験を積んで、その施設でのやりかたを習得したら、新天地で新たな利用者と出会い、違う経験を積んだほうが、スキルアップにつながるからです。
介護のやりかたというのは、施設ごとに特色があるので、色々な施設で働くことは、様々な介護テクニックを知ることにつながります。また、様々なやりかたを経験することで、自分でも気付かないうちに、判断力や対応力に磨きがかかるものです。
特に、利用者が体調不良を訴えたり、療養中の利用者が急変したりといった緊急時の対応については、経験量がモノを言います。(色々なケースを経験していることで、落ち着いて考え、対応することが出来ます。)
このような能力はテキストを読んで頭に詰め込んだところで、身につくようなことではありません。緊急時の対応など、重要度が高いことほど、現場を通じてしか分からないものなので、やはり経験値が重要です。
今までと違う経験をするための転職であれば、それは間違いなく、あなたのキャリアにとってプラスになります。
介護職の転職の目安は3年
介護の現場においては、介護技術をあげたければ、3年経ったら転職すべきであると言われています。これが現場の本音なので、介護職においては、転職の多さは、さほど問題視されないと考えてください。
逆に、数年単位のサイクルで、転職を繰り返したほうが有利になると考えてください。ただし、闇雲に勤務先を変えればいいというわけではなく、自分のスキルアップにつながるような転職先を選ぶことが重要です。
この点については、下記のページにおいて、詳しくまとめていますので、参考にしてください。
なお、採用面接の時には、転職を決意した理由、転職した先々で得られたことを、きちんと伝えることが出来れば、転職回数の多さが高評価につながるので、事前にしっかり準備しておきましょう。